今日は二十四節気の「夏至」です。地球から見た太陽が、春分から90度東に位置する季節となりました。この位置は地球赤道面に対して最も北に寄っているので、日本からは「一番太陽が高い日」となります。そのため、日射が強くなったり長時間に及んだりして、暑い夏を作り出すのです。天上での太陽位置が季節変化を支配するわけですね。
右画像は珍しく梅雨時に晴れた3年前の2012年夏至6月21日と、その約1ヶ月前5月19日の日の出を比べたもの。カメラを東北東に向け、左が北、右が南、各日とも同位置・同アングルで撮影しました。手前は霞ヶ浦です。日の出位置が北(左)に寄ったことが分かりますね。これでも1ヶ月あたりの移動は小さいほうで、3月や9月はもっと大きな差がでますよ。
近年の夏至を時刻のオーダーまで計算すると、4年に一回、ちょうど夏季オリンピックの前年に6月22日、残り3回は6月21日という結果でした。うるう年の周期でリセットされるのです。ただ、この繰り返しが続くのも2019年まで。次の4年(東京オリンピックの2020年から4年間)の最後、つまり2023年の夏至は22日0時ちょうどで、計算誤差まで含めると21日の可能性もあるグレーゾーン。そして翌2024年からしばらくは21日のみとなり、2056年に6月20日が登場するまで変化がありません。(※これは日本での状況です。国が違うと結果が少し変わります。)夏至の日は固定されているわけではないですが、このような気付きにくい長い周期性もあります。毎年のカレンダーに何の興味も持たない人は、つい「日付が決まっている」ように勘違いするかも知れませんね。特にこれから生まれる2020年東京オリンピック世代の人はそうでしょう。
ところで
半年前の冬至(2014年12月22日)は珍しい「朔旦冬至」でした。朔旦冬至とは冬至と新月が一緒というおめでたい日です。では逆に「夏至と満月が一致する日」はあるでしょうか?その周期性は?…こんな疑問が湧いてきました。ちなみに今年6月の満月は3日で、もう終わっています。
朔旦冬至に類するもので、かつて「望旦夏至」という言葉があったようです。今や全く使われないので詳しくは知りませんが、文字から察すると「夏至に満月が昇る日にお祝いしたり、暦の区切りにした」のでしょう。考えてみれば「夏至と新月の一致」や「冬至と満月の一致」など様々な組み合わせも考えられますが、万人に一番しっくりくるのは季節の区切り(冬至)と月の区切り(新月)の一致でしょう。夏至も満月も成長の途上(まだ先がある)という印象で、ひと区切りや折り返し点ではあっても始まりやゴールではない気がします。元旦が冬以外にあり得ない文化が固定して以降、満月と夏至との一致はさほど重要視されず、言葉も廃れたのだと思います。そんな消えてしまった文化にもちょっと光を当てたくて、当記事を書いた次第です。朔旦冬至と同様に「夏至と満月が一致する日」を計算して周期性を下表にまとめましたので、興味ある方はご覧ください。(計算は自前プログラムによるので、若干の誤差が含まれます。趣味の参考程度にしてくださいね。)
★19年周期の夏至と6月満月のシンクロ具合(時刻は数分以内の誤差を含みます)
1976年から2070年までの夏至と6月の満月(2回ある場合は2回目)の日付を比べました。黄色字は日付差が2日未満、水色字は2日以上10日未満、灰色字
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