皆既日食に伴う月影が南半球を通過
2020-12-15


禺画像] 昨夜夜半前から本日明け方にかけて皆既日食がありました。もちろん日本から見えません。右下のNASA-Eclipseサイトから引用した日食図によれば、ちょうどアルマ望遠鏡のあるアタカマ砂漠の少し南側を皆既帯が通っています。

静止気象衛星から月の影が見えるかも知れないと思い、日食開始近くの14:00UT(14日23:00JST)から終了近くの18:00UT(15日3:00JST)までモニターすることにしました。残念ながら気象衛星ひまわりから見えない位置でしたので、アメリカのGOES-EASTを使いました。

左画像はほぼ皆既中心に近い16:10UTの画像。暗くなっているのが分かりますね。ちなみに、地球右下縁近くの雲間に「サウスジョージア島と氷山A-68A」(→2020年12月12日記事参照)がクッキリ写っています。氷山A-68Aの形は特徴的ですから探してみましょう。

禺画像]
下には約30分おきに取得した画像を処理したものを並べてみました(画像元:RAMMB/画像処理は筆者)。日食に伴う月影の推移をご覧ください。冬至まで一週間と迫った時期ですから、北極側に太陽光が届いていない、いわゆる「極夜」状態であることも分かるでしょう。衛星からは天気に関係なく地球が観察できるので、実に快適で面白いです。

禺画像] 年間で考えると日食は世界のどこかで何度か起こっていますが、日本から見えるものはしばらくありません。2023年4月20日に本州太平洋側以南でごく僅かに欠ける日食が起こるのみ(左図参照)。どのみちコロナ禍が世界的に落ち着かなければ海外へ見に行くこともままならないでしょう。当面はリモート観察になりそう…。

14:00UT 14:30UT 15:00UT
禺画像] 禺画像] 禺画像]
15:30UT 16:10UT 16:30UT
禺画像] 禺画像] 禺画像]
17:00UT 17:30UT 18:00UT
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参考:
アーカイブ「静止気象衛星による日食月影の可視範囲」

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