今週の月面Aは極めて貴重な好条件
2020-02-04


禺画像] 今月初めに見ることができた月面Xと月面LOVEが好条件だったことは記憶に新しいですが、三日後の2月7日に見える月面Aは更に好条件であることをご存じでしょうか?「まだ見たことがない」「今まで何度か見たけどはっきりしなかった」という方は、ぜひこの機会を逃しませんように。

X地形ほどは人気のない月面A。なかなか見えないというお話しをあちこちで耳にします。私自身も見え辛いなぁと度々感じます。

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X地形よりずっと小さいためかなとも思いますが(右図参照/同縮尺の正面図比較)、面白い形だから、なんとか多くの方に楽しんでほしい。

周囲の方々の見えない理由をじっくり伺うと、大きく次のふたつに分かれるようです。


理由1なら、何度も何度も見て練度を上げてゆく他に近道はありません。大きいクレーターや海、山脈の配置などをしっかり覚え、徐々に細かいクレーターを判別し…と言う具合に“王道”を進むのがベストと思います。文字地形は明暗境界の観察なので「見え始めがとても暗い」「周囲から位置を把握するのが難しい」等も注意点。該当位置を探すのに当てにしていた周囲のクレーターがそもそも見えない…なんてことが起きるんです。月面XやAの予報日にX地形やA地形だけしか見ない方が結構いらっしゃいますが、それではちっとも地形配置が覚えられませんし、なにより貴重な月面観察チャンスがもったいない。周りには文字地形以上に興味深い場所や、由緒あるのに言われなければ一生見ないだろう地物がゴロゴロしてるんですから、併せて楽しみましょう。

理由2の「良い観察条件」とはなんでしょうか?予測できない気象条件(天気やシーイングなど)は除外するとして、月面Aが見やすいためには以下の条件が挙げられます。


条件1&2&3は他の文字地形でも同じなのですが、条件4はA地形ならではのもの。ここを掘り下げてみましょう。下A・B画像は2015年にA地形が見えた二回それぞれの月面です。7月のほうはかつてないくらい好条件、対して12月は見つけるのも困難なほど悪条件でした。ご覧いただきたいのはA地形そのものではなく、月全体の向きや欠け具合。不思議に思いませんか?同じ場所を見ようとしてるのに、こんなにも形が違うんですよ。



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月が上下左右に少し首を振っている「秤動」をご存じでしょう。振れ幅は経度・緯度ともプラスマイナス10度未満。月面の真ん中近くにあるX地形などは秤動がどんな値でも端っこに寄ったりしません。でも、地球から見たA地形は西端(北極を上にしたとき左端)近くにあるため、秤動のうち経度方向の影響をもろに受けるんですね。これはオリエンタレ盆地

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