直径1kmオーバーの小惑星が間もなく地球最接近
2019-05-21


小惑星1999KW4を実際に観察した記事は、2019年5月28日記事5月31日記事6月4日記事6月6日記事にあります。本記事と併せてどうぞ。

禺画像] 地球近傍小惑星のひとつ「1999KW4」(小惑星番号66391)が今月5月25日23:05UT(26日8:05JST)ごろに地球へ最接近します。1999KW4は地球に脅威をもたらす可能性がある、いわゆる「潜在的に危険な小惑星」(Potentially Hazardous Asteroid/PHA)にも属します。

1999KW4の平均直径は約1.317km(三軸直径の最長は約1.532km)。今日現在指定されているPHAでは43番目に大きな天体です。1kmを越える小惑星が接近する機会はそんなに多くない…平均で1年に数個のため、数ヶ月前から注目していました。今回の最接近距離は約13.48LD(LDは月と地球の平均距離=384400km)なのでぶつかる危険は皆無ですが、小惑星は他天体へ接近するたびに軌道が少しずつ変化しますから、何世紀、何十世紀と経つ間には危険な目に遭うかも知れません。そう言う意味でもPHAとしてのマージンは広めに考えておく必要があります。

それなりの大きさを持つ天体が接近するわけですから、移動天体を観察する良いチャンスとなるでしょう。ただし期待するほど明るくならないので、アマチュア用望遠鏡での眼視観測は無理そうです。15等以下の恒星像まで確認できる望遠鏡で写真を撮るか、PCに接続して電子観望を試みてください。接近時の予報光度は12.7等星ですが、南半球に行かないと見えません。でも二日ほど経つと日本の地平に顔を出し始め、入梅ごろまで14等台を保ちながら日に日に北上します。2018年9月2日記事に書きましたが、来年2020年冬に接近する小惑星リュウグウを捉えたいと思っている方はぜひ練習台にしてください。ちなみにリュウグウは1999KW4よりもずっと暗くて厳しい条件です。天気に恵まれているのにご自身の機材で1999KW4を捕捉できないなら、リュウグウの観察はまず無理と考えてよいでしょう。

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左上図はステラナビゲーターを使って1999KW4の位置を描いたもの。宵空南西の方向から日ごとに高くなり、5月末にはしし座の後ろ足付近まで登ります。天気が不安定な時期ですが、機会があれば狙ってみてください。6月4日にはM98、6月5日にはNGC4237、6月6日には先日超新星が発見されたM100のすぐそばを通過します(右の拡大星図参照)。画角が分かっている望遠鏡+カメラなら、先に銀河を導入しておき、「出待ち撮影」する方法だと確実です。写野の向きを間違えないようにしてくださいね。(※各星図は上方向が天の北方向。)なお当記事の星図は粗いので、観測したい方はご自身の観測地や機材に合わせたMY星図作りを強くお勧めします。

禺画像] ところで、NASA-CNEOSによると地球近傍小惑星は軌道形態によって下表に示す四つのクラスに分けられ、小惑星1999KW4は「アテン群」になります。地球軌道面との傾斜ズレを考えなければ、「地球と交差する小惑星」ということになります。

文章で説明されても分かり辛いので、表中に軌道図も掲載しました。この図はランダムに発生させた架空の小惑星軌道から、各分類条件を満たす軌道を100本描いたもの(※PHAでないものも含みます)。軌道条件を視覚的に理解できるでしょうか。


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