禺画像] 4月29日、宵空高く登るかみのけ座のメシエ天体「M100」に超新星が現れ、ポーランドのJaros〓aw Grzegorzekさんにより発見されました。発見光度は16.5等でしたが、その後15等後半まで明るくなっています。
左画像は5月2日から3日にまたがって撮影したもの。薄雲がとめどなく飛来して30分も露出できませんでしたが、超新星が明るくなっていて良く写ってくれました。先日ブラックホール画像が公開されたM87からは見かけ上4°も離れていません。ぜひ望遠鏡を向けてみてください。
古くからの星仲間であるmeinekoさんも
5月2日に撮影されていますが、同氏の記事に「超新星が複数発見されているM天体」についての言及があり、とても興味を覚えました。M天体に限らないのですが、これまでにふたつ以上の超新星が発見された銀河は多数あって、「偏りがあるのかな?」と感じていたのです。いい機会なのでざっくり調べてみました。適切なデータベースが見つからなかったので、よく拝見していた超新星サイトのアーカイブを利用させていただきました。
超新星が出現した母天体(Host Galaxy)をM天体、NGC天体、PCG天体、UCG天体、IC天体に絞って集計すると、複数発見されているケースは500個を越えました。この中から特にひとつの銀河で4個以上あったものを下表に掲載しておきます。(※短時間で作業したため、間違いがあるかも知れませんのでご注意ください。)
なお、M100の超新星は今回を入れると6個目となります。M天体の中ではトップクラスに入るでしょうか。もし偏りがあるとしても、宇宙の揺らぎなどではなく人間的な理由…例えば観測者が見やすい天体とか、観測者の住む地域の気候に影響されるとか、そういうことも考慮する必要があるかも知れません…。少なくとも捜索者が少なかった時代については、特にそう思います。
【4個以上の超新星が発見された天体・2019年4月中旬までの集計】
天体名 |
発見された超新星 |
IC1129 |
2003K・2012cs・PSN J15320170+6814480・2018bek |
IC5145 |
2002dn・2003hy・2010iq・PSN J21542359+1509224 |
M51 |
1945A・1994I・2005cs・2011dh・AT2019abn |
M66 |
1973R・1989B・1997bs・2009hd・2016cok |
M83 |
1923A・1945B・1950B・1957D・1968L・1983N |
M99 |
1967H・1972Q・1986I・2014L |
M100 |
1901B・1914A・1959E・1979C・2006X |
M101 |
1909A・1951H・1970G・2011fe・PSN J14021678+5426205 |
NGC309 |
1999ge・2008cx・2012dt・2014ef |
NGC1084 |
1963P・1996an・1998dl・2009H・2012ec |
NGC1316 |
1980N・1981D・2006dd・2006mr |
NGC1365 |
1957C・1983V・2001du・2012fr |
NGC1448 |
1983S・2001el・2003hn・2014df |
NGC1559 |
1984J・1986L・2005df・2009ib |
NGC2146 |
2005V・AT2018iyu・AT2018hvo・2018zd |
NGC2207 |
1975A・1999ec・2010jp・2013ai |
NGC2276 |
1962Q・1968V・1968W・1993X・2005dl・2016gfy |
NGC2466 |
2003gh・ASASSN-14dd・2016iye・AT2016cnz |
NGC2748 |
1985A・2013ff・PSN J09132750+7627410・2017gkk |
NGC2770 |
1999eh・2007uy・2008D・2015bh |
NGC2841 |
1912A・1957A・1972R・1999by |
NGC3147 |
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