棚氷ラーセンCから氷塊が分離して1年経過
2018-07-17


禺画像] 暑い日が続きますので、涼をひとつ。

約1年前の7月12日ごろに南極半島にあるラーセンC棚氷の一部が分離した、というニュースを覚えていますか?(→参考記事。)分離した領域はA-68と名付けられました。その後、ことある度に南極の衛星写真で確認していたんですが、さすがに1年も経つとラーセンCから結構離れてしまうものです。左画像はNASAサイトからの引用ですが、今月頭には約45kmの移動が確認されています。ちょうどA-68の短辺距離に近いですね。

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南極半島やラーセンCの位置は右の通りです。亀裂は2010年にはもう確認されていますが、完全分離まで少なくとも7年あまりかかりました。でもいったん分離してしまうと、あっと言う間に遠くへ行ってしまいます。今はまだ周囲の海氷に包まれてぎゅうぎゅう詰めですが、もし何十年か後に外洋に出てしまうようなことがあれば、今よりもっと速く移動するでしょう。

南極を詳細に研究している英国Project MIDASによると、分離直後のA-68面積は約5800km2、重さは1兆トン以上でした。移動につれて外周がボロボロ欠けてゆくのが分かります。ただ、春以降は南極に太陽光が差さなくなったため、衛星可視光では見えなくなりました。

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分離・移動のアニメーション
(※約2MBあるので表示に時間がかかります)
分離から移動までを収めたGIFアニメーションがProject MIDASのサイトで公開されていましたので、容量を小さくして右に引用します。A-68の一部であるA-68Bが左上付近をコミカルに動いていますが、これでも山手線内の面積よりずっと大きいんですよ。なんともクールでヘビーな変動ではありませんか。

今後どこまで移動するのか、どう崩壊するのか、しばらくは目が離せません。

[自然環境・生物]

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