禺画像] 長年に渡って月や惑星、太陽のスタックに使ってきたAutoStakkert!(以下AS)ですが、どうにも品質選定やスタッキングで思い通りにいかにないことが多く、気になっていました。良画像が弾かれたり、弾くべき画像が残ったり…。数十フレーム程度なら力技で除外できることも、惑星などは一度に数万フレームも撮るので見返すことすらできません。世界中で使われているソフトですし、ケチをつけるつもりもありませんが、みなさんは品質選定の精度についてどう感じますか?(※スタック精度とは別のことです。)
ある時ふと、撮影動画ではなく
ゼロから生成したSER動画をASにかければ評価アルゴリズムの優劣を客観的に判断できるのではないかと思いつきました。しばらく頭で寝かせておいたアイディアですが、明け方の土星撮影を機に「評価用SERファイル」を作って試すことにしました。
個人的には空や天文そのものを題材にしたいため、ブログに機材やソフトなどの「裏方」を引っ張り出してあれこれ書くのは極力避けているのですが、偶然にも「ほしぞloveログ」のSamさんが
「serファイルの上位フレームの選択」についての記事を書かれていたので、良いタイミングと思い、現状で私が実験したことを簡単な記事にしておきます。
今回作った評価用SERは曖昧さを排除するため、何かの流用ではなく自作プログラムで完全にゼロから作りました。まず白黒8ビット・500×500ピクセルの黒背景に半径100ピクセル・レベル(以下LV)200の円を描き、一定の処理を経て「中央がLV200のまま、縁がLV0になる」ようなグラデーション円像にします。これを動画1フレーム目として、100フレームを保有する4種のSERを以下の通り生成させました。左上図はガウスぼかし1フレーム目ですが、他のSERも1フレーム目はこれと一緒です。
- ガウスぼかし:グラデーション円像をだんだんぼかしてゆく。
- 背景レベルアップ:背景のみだんだん上昇する。
- 全体レベルアップ:グラデーション円像を含めた全体のレベルが上昇する。
- ランダムドリフト:グラデーション円像の中心位置のみがランダムに変化(画像中央基準にガウス分布)。
下A・B・C図はそれぞれの動画の100フレーム目、下D図はドリフト量の大きなフレーム例です。ヒストグラムを比べていただければ動画の状態や、どんな意図で作ったかが分かるでしょう。