環のない土星
2025-04-27


禺画像] 昨夜から今朝は曇りのち快晴。明け方低空まで良く晴れてシーイングもそこそこ良かったので、薄明中の土星に望遠鏡を向けてみました。

金星が隣家の屋根から現れたのは4時ごろで、航海薄明が始まっていました。10分ほど経つと土星も昇ってきました。ファインダーでしっかり捉えることができ、すぐに撮影開始。この時点で土星高度は約10.5°なので、まだゆらゆらして暗かったです。そこから20分ほど粘りましたが、あまり改善されませんでした。少し前にRB星のブログの熊森さんが「ADCで目一杯、効果強度を上げても足りない」とおっしゃってましたが、正にその通りでした。補正し切れない大気差の色ズレが残っています。

左は何枚かのスタック結果を更に加算平均したもの。かなり強めのデコンボリューションなどもかけてみたけれど、20cm望遠鏡では環の様子が分かりませんね。

禺画像]
AutoStakkertなど通常のスタックソフトでは「像が明るいほどボケていないと判断されるので(背景が被ったフレームは)鮮明な画像」という結果になってしまうため、薄明でどんどん明るくなる状況下の撮影では『実際にボケていようが崩れていようが関係なく』品質グラフは右肩上がり(薄明が進むほど星像品質が高いと誤認)になってしまうのです(右図参照)。真夜中の撮影でも見えないような淡い雲がかかって被ったショットが良像判断になる事も経験しました。スタックソフトの致命的・構造的欠点とも言え、なんとかしてほしいものですね。

ともかく、明確な環は見えていないことは確かめられました。※現在の環は背面照射の状態です。シーイングが良ければ環の影側が細い筋になって見えるかも知れません。日々高度が上がって条件が良くなるので、また安定した晴れ間に恵まれれば撮ってみようと思います。

参考:
土星の環の『背面照射』を観る貴重なチャンス(2025/04/24)

[惑星・準惑星]

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