天リフ・ペルセ群配信のメモ
2024-08-13


禺画像] 昨夜から今朝にかけて概ね晴れ、ペルセウス座流星群を楽しむことができました。我が家の環境はここ5年ほどで光害が一気に悪化して広い空を撮影することは不可能に近いため、早々に撮影記録は諦めました。代わりに夜半からの惑星観察と、肉眼での流星を堪能。加えて、天文リフレクションズさんが山口県秋吉台からYoutube配信すると言うので、観察の合間に拝見しました。観察した惑星は後ほど別記事にするとして、ここでは配信で気付いたことや集計をメモしておきます。

まずは「流星のカウント」。かつて眼視観測が主流だった頃はラムカ枠で視野を区切って寝ころび、ロール紙に手探りで時刻を書く、カセットに飛んだ星座を録音するなど苦労したものですが、今は動画で記録を残せる時代。今回の配信は正確な観測を目的にしたものでは無いと思いますが、それでもしっかり記録に残ってますから活かさないのはもったいない。

一般には流星群のピークが予報され、その時間帯がいちばん多く飛ぶと言われます。一方で放射点高度が流星数に制限をかけます。ピークはあくまで放射点と向きあう位置関係になければ成立せず、低ければそれだけ減ってしまいます。見る方向や機材の選択、撮影方法などによってもカウント数は変化しますが、あまり気にせず「流星が写った時刻」をメモしました。概ね下表のようになります。雲が出た時間はあったけれど、夜半を過ぎてからピークになったような印象を受けます。(※右下図は国際流星機構の2024年資料を基にペルセ群の放射点移動をステラナビゲーターで描いたもの。元データが荒いので独自に補間してあります。)

禺画像]
それから、配信していた山口さんが時々音声で言っていた等級と、画面から見た感じの等級に逆転しているイメージを受けたことが何度かありました。これは画像の周辺減光や歪みによる伸縮などが関わってると見られます。フラット補正した動画を配信している訳では無いでしょうから、明るい流星が暗く写る、あるいはその逆の現象が起こりうるのでしょう。人間でも眼の中心で捉えた光と端での光で感じ方が違うような話を聞いたことがあります。網膜の感度分布と言う話だけではなく、知覚したものの相対性の話です。2001年のしし座流星群ではあまりにも流れ過ぎて明け方前に光度の感覚が麻痺してしまった観測家もおられるのではないでしょうか。(追記:山口さんによると、空を見て光度判断したときとPCを見て判断した時がごっちゃになってるとのこと。)

また撮影設定的に仕方ありませんが、流星なのか人工衛星フラッシュなのか分かり辛いものが少なからずありました。現地にいたなら見かけの速度や光り具合でほとんど区別できるけれど、PC画面だと露出ぶんの光が線になってしまったり、自然由来の流星の独特な光り出し方、消え方などは分かりません。超高感度で「非圧縮動画」を撮っても全くノイズ感が発生しないようなカメラが近未来に登場するでしょうか?技術面で希望を言うと、星空画面に星座や星の名をオーバーラップさせる機能があると良いなと感じました。常時出さなくて良いので、要所要所の説明に使ったり、放射点位置を確認する時に表示できたらありがたい。また対角魚眼クラスだと、群流星かどうか分かり辛いケースがあります。レンズ収差と向いている方向に追従してモデル流星経路が飛ぶ方向を集中線のように描く機能もあったら便利そう。動画をリアルタイムでプレートソルブするような基盤テクノロジーが必須ですね。


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[彗星・流星]

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