センタームーンの時期がやってきました
2024-05-01


禺画像] 天文年鑑などで今年の月面秤動を見ると、晩春から晩秋にかけてグラフ中央(経度秤動、緯度秤動ともゼロ)の近くを通るパターンになっています。下A〓D図は三ヶ月ごとに秤動図を重ね書きしたもの。赤線が地心秤動で、一般的な秤動図はこれです。

実際に私たちが地上から見る月面の秤動は測心秤動で、地心秤動から結構ずれます。青線は参考値として当ブログ基点の茨城県つくば市計算で描いた測心秤動のグラフ。□マークがグラフ開始点、△マークが終了点、塗りつぶし●が新月瞬時、黄色○が満月瞬時となります。国内ならば最大でもこの青線からプラスマイナス0.2°程度しか離れませんから、ほとんどの地域で似たグラフになると考えても差し支えないでしょう。どうですか、今年の傾向が見て取れるでしょうか?

秤動グラフが中央近くを通ると言うことは、「センタームーンになる」ということ。つまり、見かけの月面中心と実際の月面座標中心が非常に近くなるわけです。ごちゃごちゃして分かりづらいかも知れませんが、グラフ原点近くを通る線が結構ありますね。このとき実際の月面動向を探るには、赤線ではなく青線をたどって日時を求める必要があります。残念ながら測心秤動を計算してくれる便利サイトは世界中探してもほとんど見つかりませんので、ご自身でタイミングを探すには適切なツールを駆使しなくてはなりません。

冒頭地図は自作プログラムによる2024年のセンタームーンマップ。センタームーンの時期になると月心と月面座標中心を通る直線が地球面を貫くことになりますから、その位置と日時を描いた地図ということです。日本を横切る、または近くを通る日時を抜き出すと、5月6日昼ごろ、6月2日昼ごろ、8月8日宵、8月9日午前、9月5日昼ごろ、9月19日朝、10月2日宵、10月16日夜あたりでしょうか。このうち実際には「昼間で見づらい」「新月期で太陽に近過ぎる」「月中心が光っていない」などの理由で実際の観察や確認が困難なケースがかなりありますが、もし可能なら観察してみてください。

直近ではゴールデンウィーク最終の5月6日明け方に昇る細月です。もちろん月面中心に光が当たっていませんが、眼視や写真で地球照を捉えてみると、月面の見かけの中心に中央の入江があり、センタームーンに近い状態なんだと実感できるでしょう。一番の注目は中秋の名月の二日後(満月の翌朝)である9月19日朝の月。ほぼ全体が光る月であり距離も近くて大きく見え、今期一番のセンタームーンとなることでしょう。



参考:
センタームーンを観よう・Part1(2021/05/05)
センタームーンを観よう・Part2(2021/05/06)
センタームーンを観よう・補足(2021/05/13)
見事なセンタームーンでした(2021/10/24)


[月]

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