木星が衝を迎えました
2022-09-27




木星が今世紀最大の視直径となった昨日から1日も経たずして衝を迎えました。衝の瞬時まで待つと低くなってしまうため、日付が27日に変わる頃を狙って観察しました。

上A画像は日付変更前の撮影です。一晩前に見えなかった大赤斑が正面近くでお出迎え。右上にはエウロパも添えて。なんと豪華な衝でしょう。いっそ大赤斑が真ん中に来るタイミングで撮ってみようと思いましたが、A撮影後に少し時間があったため一旦部屋に戻って15分ほど皿洗いや洗濯物を畳んで時間を潰しました。日が変わったので望遠鏡に戻ったら、なんと真ん中過ぎてる!(上B画像)木星の自転、おそるべし。じっと待つべきでした…。

禺画像]
A画像中のエウロパは見ているうちに消えてしまいました。これは木星に隠される「掩蔽」ではなく、木星の影に入ってしまった「食」でした。いわば木星にとっての“月食”ですね。右にGIF動画を掲載しました。木星のリムからわずかに離れたところで少しずつ消えてゆく様子が分かるでしょうか?ここが掩蔽と食の決定的な違いです。(※上A画像は右の動画に使った全コマをDerotation合成したものです。また動画は上下方向が天の南北、静止画は木星自転軸に揃えてあります。)

このときは木星の東側(向かって右側/天の西側)に影が伸びていたわけですが、衝を境に西側(天の東側)へ移ります。今夜の夜半前後にイオが木星の前を通過するとき、影がイオより少し遅れて付いてきているのが見えるでしょう。約一ヶ月後の10月29日21時ごろにも同様にイオの通過がありますが、影の位置ははるか西に離れてしまってます。

シーイングは前夜よりイイと感じたけれど、時間とともに小刻みな振動のような大気の揺らぎが増えてしまいました。もう少し画像処理で引き出せそうですが、下処理だけで10時間もかかったため、微調整は後回しです。まぁとにかく、絶好のタイミングで快星夜になったことは本当にありがたいですね。ちなみに上画像を上手に組み合わせると立体写真になるかも。(もう少し時間差が少ないほうがいいかも?)

禺画像] 少し経つと火星が高くなったので、3時前ごろ観察(左画像)。中央少し右に子午線湾が見える位置ですが、黄雲がますます広がっていて何が何だか分かりません。北半球もかなり埋め尽くされ、北極付近の雲の近くまで届いているようです。

視直径がわずか12″角(木星の1/4弱)しかありませんから、そこで起こっていることは高々20cmしかない我が家の望遠鏡ではご飯粒の表面を観察するより困難。でも見えるはずの模様が砂嵐でかき消されていることは実感できます。地球接近まで残り二ヶ月あまり。さあ、どうなるでしょうか?これからもちょくちょく監視したいと思います。

[惑星・準惑星]

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