禺画像] 今日未明に満月を迎えました。夜半頃まで透明度が悪く薄雲通過も度々ありましたが、望遠鏡を引っ張り出して月を楽しみました。
左画像は日付が今日17日に変わる少し前の撮影で、太陽黄経差は約177.80°、撮影高度は約45.89°、月齢は15.35。だんだん曇ってしまう天気予報なのと、赤緯がマイナスで満月瞬時(17日3:55)には月高度が低くなってしまう影響を避け、満月の約3時間前・南中近くに撮影しました。左リムから下リムにかけてわずかに地形の影が確認できます。秤動によって左下を中心に見やすくなっており、バイイ・クレーターの更に奥にあるハウゼンやル・ジャンティ、ドリガルスキーなどのクレーターまでしっかり見えますね。オリエンタレ盆地外輪山やアインシュタイン・クレーターが二重になっている様子も見えて驚きました。
ところで今月は1日に新月でしたから満月は15日…と思いきや、17日までずれ込んだのですね。満月の平均月齢は14.8。月齢の数値は「新月からの経過日時」と考えれば良いですから、今月は満月になるまでに平均よりも日時が必要だったことになります。試しに満月瞬時の月齢をグラフ化すると下A図のようになりました。1年ほどの周期で変動が見られますが、よく見ると1年より少し長い周期ですね。今年は年の前半に満月月齢が大きいけれど、2025年のように年前半が小さいこともあります。
撮影中に「随分大きいなぁ」と感じたのですが、調べると今年最大の満月は7月14日なのですね(下B図/ただし測心では6月のほうが大きい)。つまり今月は大きくなりつつある途中ということでした。
2019年11月13日記事に書きましたが、ここしばらくは「標準サイズ」の満月を拝めないシーズンになっていますが、強いて言うなら今年は3月と10月が標準に近いです(下C図)。わずか一ヶ月ながら、今月の満月は急速に地心距離を狭めているんですね。この一ヶ月は天候不順で月面観察がなかなか困難だったけれど、身に染み付いてる月面の感覚が錆びつくことなく役に立ってくれてホッとしました。