今季初の宵の明星を確認
2021-04-26


禺画像] 今日は一日抜けるような青空でした。夕方もあまり霞んでなかったので、ひよっとしたら宵の明星が見えるかも知れないと準備しました。

日没前にベランダから見ると、ちょうど遠くに見えるマンションに太陽が隠れるのが分かりました。外合を終えた金星は太陽からあまり離れずにいますから、日没位置さえわかればその近辺にいるはず。左画像は日没10分あまり経った空。まだ明るいですが、果たして金星は見つかるかな?


禺画像]
小型双眼鏡で探すこと1分、マンションのすぐ上にきらめく金星を発見!今季最初の宵の明星となりました。左上画像の緑矩形を拡大撮影したのが右画像。撮影時の金星−太陽間離角は約8.0°。おまけになんと、最初から諦めていた水星も一緒に見えました。金星と水星はまさに今日1°あまりまで最接近しており、ラッキーが重なりました。

少し時間を遡ると、太陽観測衛星SOHOのLASCO-C3カメラには昨日まで金星と水星が写っていました(左下画像)。今日の同衛星画像ではもう左側(東側)へ水星も金星も出ていきかけています。今後は太陽から次第に離れ、少しは探しやすくなるでしょう。

禺画像] ただし今季の宵の明星は「はずれ」です。というのも、日本ではあまり高くならないまま内合まで過ぎてしまうんです。私のように高い空で明星を楽しみたい方も多いでしょうが、毎回必ず高くなるとは限りません。来年2022年1月9日の内合まで、薄暮終了を待たずに沈んでしまうような高度です。そういう意味ではハズレ年なのですが、低空とは言え腐っても鯛ならぬ、金星。地上の景色に美しい輝きを添えてくれるでしょう。

【追記】
参考までに、前季の宵の明星と今季の宵の明星とで、日没瞬時の位置変化を描くと下A・B図のようになります。こんなに高さが違うんです。(ただし同じ日本でも観察地の緯度によって多少の違いがありますからご注意。)金星の内合・外合には8年周期の5パターンが存在します(→2020年6月5日記事や、国立天文台・暦Wiki「日面経過」の後半を参照)。これに応じて宵の明星の位置変化も8年周期・5パターンが生まれるのです。下C・D図はA・B図の8年前を描いたもの。移動がほとんど同じだと分かるでしょう。



[惑星・準惑星]

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