夜明けの空で極細月と金星が大接近
2020-12-13


禺画像] 本日明け方に金星と月の大接近がありました。といっても月齢はもう27.7。あと2日で新月を迎えるため太陽に近く、天文薄明開始の30分前にようやく空に顔を出す有様。当然ながら薄明中の観察です。

当地・茨城は曇り続きで、昨夕も望み薄でした。ただ明け方の時間は雲が引く予報だったため早めに準備。予報通り2時頃から雲が消えてゆき、見事な星空。月・金星が隣家の屋根から見えだす位置を事前に恒星を使って把握しておきました。ところが大どんでん返し、あろうことか月が見え出す直前、皆曇に転じてしまいました。

それでも諦めず待っていると、かなり明るくなってから雲が途切れ始めたのです。雲間にチラチラ見える月と金星を追い続け、写野に雲がかかってない僅かなチャンスを撮りつなぎました。苦労して仕上げたのが左上画像です(画像上方向が天の北方向)。いちおう二段階の露出で撮ることができたため、多段階露出コンポジットで地球照から金星の輝き、月面クレーターまで、なるべく白飛びさせずに押し込めました。撮影時の両天体中心離角は約50′角。日の出30分前にはすっかり雲がなくなったものの、月や金星は空の明るさに溶けかかっていました。カメラモニター内で月がクラゲみたいにプヨプヨするシーイングの悪さでしたが、束の間の接近ショーを観察できて大満足。

なお月と金星は毎月のように接近していますが、2021年3月に金星が外合を迎えるため、前後数ヶ月は太陽に近すぎて見えません。次に会合が観察できるのは6月12日日没後、西空低空での接近(離角約1.5°弱)ではないかと思われます。梅雨時期なので天気が微妙でしょうか?日本から見える月・金星の会合のうち、太陽から離れた位置で今回並に接近するチャンスは2023年3月24日夕方まで無さそうです。(※下表も参考にしてください。毎月接近してる割に今回のような大接近は少ないことが分かるでしょう。)

【金星と月の接近・2020-2040年調べ/茨城県つくば市計算例】
最小離角日時
(JST)
月・金星離角
(°角)
金星・太陽離角
(°角)
月・太陽離角
(°角)
可視時間帯 航海薄明時高度
(°)
離角(増減)
(°角)
2020-06-19 18:55 JST(x) 0.213 22.726 21.989 0.485 7.008(-)
2020-07-17 17:14 JST(x) 2.553 42.249 41.297 18.857 5.724(-)
2020-11-13 09:04 JST 2.295 31.659 31.595 18.535 2.754(-)
2020-12-13 04:32 JST(x) 0.433 24.856 25.735 10.161 0.744(+)
2021-01-12 03:08 JST(x) 1.851 17.855 19.028 1.247 2.421(+)
2021-05-13 06:39 JST 1.360 12.324 12.033 5.222 4.420(+)
2021-06-12 17:41 JST 1.123 20.398 21.312 10.456 1.370(+)
2021-07-12 21:19 JST(x) 2.356 28.218 29.069 12.874 2.591(-)
2021-10-10 04:11 JST(x) 2.561 45.897 45.591 15.189 6.997(+)
2021-11-08 14:14 JST 0.221 46.710 46.606 18.236 1.107(+)
2021-12-07 08:14 JST(x) 2.498 38.583 37.450 20.019 4.316(+)
2022-05-27 13:51 JST 0.318 37.606 36.746 7.625 3.814(-)

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