禺画像] 昨夜から今朝にかけ、透明度の良いお天気になりました。大気のゆらぎが落ち着いたときと慌ただしいときと差が激しかったけれど、とにかく透明感がある星空は貴重です。ここぞとばかりにいろいろ観察・撮影ました。
まず宵のうち、おそらく多くの方がご覧になったであろう国際宇宙ステーションの通過(左画像)。野口宇宙飛行士が乗りこんで以降では、当地でいちばんよく見えたパスでした。まだ薄明が終わってない空でしたが、明るいISSは誰が見てもはっきり分かりますね。
本当は見晴らし良いところで見たかったけれど、この後の観察スケジュールを考え断念。自宅アパートの西側で色々なものに遮られつつ眺めました。左画像には全経路の半分程度写っています。
お次は火星。11月17日夜以来ずっと天候不良で見えなかったから砂嵐が気になってました。海外を含む諸先輩方の画像を見ると相当な広がりを見せているようで、感覚的ながら、濃淡を問わなければ表面の四分の一程度が覆われている様に感じます。
昨夜はさすがに視直径が小さくなったのと、冬の悪シーイングが流入してきたため詳細は見えませんでした。でも撮影画像を仕上げると、見えるはずのアルベド地形が見えなくなっていることが分かるでしょう(下A画像)。
下B画像は同時刻に見えるはずの火星図(Stellariumによるシミュレート)。大シルチスはぼんやり視認できますが、子午線湾からサバ人の海にかけて黄雲が横切っていますね。南極冠は見えますが、その北側は左の欠け際あたりから広がる砂塵がノアキスを横断して右へ流れているように見えます。ヘラス盆地も、ヘラスが明るいのか黄雲が明るいのか微妙なところ。大望遠鏡での観察ではどんな具合なのでしょうか?気になります。
火星に続き、小惑星リュウグウにも望遠鏡を向けました。光度ピークを迎えてますが、次第に南下を速め沈む時間も早くなっているため、のんびり火星を見ていると観察時間が無くなってしまいます。昨夜も大慌てでした。
右画像では三角マーカーの先にリュウグウが写っています。直ぐ側に明るい恒星があって撮影前にくっつきそうなことが予想できましたが、とにかく時間がなかったのでジャンジャン撮りました。結局撮影したコマの四分の一は恒星像に張り付いてしまったのでコンポジットから除外する羽目に…。
まだ月が残る時間帯でしたが、よく写ってくれました。天候を考えたらあと数回写せるかどうかといったところですが、最後まで見届けようと思います。
日付が代わって22日。今度は東側のアトラス彗星(C/2020 M3)を狙います。天候不安定だった数日のうちにエンゼルフィッシュ星雲からだいぶ離れましたが、大きなコマは健在(下C画像)。透明度に助けられたか、尾がよく写りました。V字に広がりつつ若干南側にカーブしていますね。また短いながらもアンチテイルが出ているようです。どんどん北上しており、当分は楽しめそう。