オリオン大星雲に近づくアトラス彗星
2020-11-05


禺画像] 昨夜から今朝にかけ安定した晴れ間が訪れました。夜半すぎからは雲に覆われる時間もありましたが、それを避ければまずまず。

10月19日の記事にも書きましたが、計算上では今週から来週にかけてがアトラス彗星(C/2020 M3)の光度ピークを迎え、しかも11月7日にはM42・オリオン大星雲に3°あまりまで接近します。8日が下弦のため今週いっぱいは月明かりの影響が無視できないけれど、彗星はどんどん動きますから「新月まで待とう」という訳にはいきません。

この条件下で星雲と彗星がどこまで写せるか試そうと思い、ややキツイ構図ながら日付が変わったころ撮影してみたのが左上画像。お馴染みのM42やランニングマンは画像左上、緑のコマを広げたアトラス彗星は画像右下にいます。ある程度背景カブリを除去してありますが、元画像はかなり白っぽい…。

M42のすぐ下、画像内で一番明るいオリオン座ι星とM42中心との角距離がだいたい満月直径くらい。いっぽう現在のアトラス彗星コマは良条件下の夜空で満月の2/3程度広がっているそうですから、月がなかったら星雲も彗星もこの画像の倍程度は広がりを見せてくれただろうなと思われます。なるべく日が経ったほうが月の影響は少なくなりますが、この写野では縦構図にしてもギリギリ10日明け方までが限度。もう少し写野が広いレンズならOKだけれど彗星や星雲の写りが小さくなってしまうので悩ましいところです。どうするにしてもお天気次第ですね。

禺画像]
前の晩、4日20時過ぎ頃には火星も観察しました。気流は安定しており、まだまだ視直径が大きいので模様が楽しめました。(こんなときに限って架台が安定しませんでしたが…。)この時間はキンメリアやアマゾニス平原、オリンポスやタルシス三火山などが正面付近。東の縁にまだ太陽湖が見えています。同じ時間の観察なら中央経度が約9°だけ日周と反対にずれますから、360÷9=40で40日前、だいたい9月下旬頃の模様に相当するでしょうか。

葉っぱに付く「ハモグリバエ」の幼虫の食痕みたいな白い筋模様(酷い例えだ…)が北半球に写し取れたのは大収穫でした。暗いアルベド模様は写りやすいけれど、地形の微妙な高低差が作り出す明るい模様はなかなか写りません。向こう10年の間に「最も遠い接近(小接近)」となる2027年2月20日と同等の大きさに至るのは12月5日ごろ。どこまで地形が追えるか楽しみです。

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