地球最接近間近のウィルタネン周期彗星
2018-12-16


禺画像] 昨夜から今朝にかけ、よく晴れました。ウィルタネン彗星(46P)の地球最接近およびプレアデス星団最接近は16日夜ですが、天気が悪そうなので、昨夜のうちにしっかり楽しむことにしました。

近いと言ってもプレアデス星団と彗星の離角は15日夜に6°、16日夜でも3°あります。普段から単焦点レンズ(ズームでは無いレンズ)を多用しているため、うまく画角に収めるにはかなり工夫が必要でした。いつもなら東西南北を画像の辺に揃えますが、それだと彗星や星団が窮屈です。今夜だけこの柵を外し、フリーダムに構図を決めました。

左画像はアルデバラン(画像左端のオレンジ輝星)を含むヒアデス星団と右上のプレアデス星団、そしてウィルタネン彗星を全て入れたショット。輝星の光条が目立つよう自作フィルターを付けて撮影しました。

禺画像]
右画像はプレアデス星団と彗星のみをフレーミングしたもの。向きを90°ほど横倒しにしてあります。14日夜の撮影と比べると随分接近したことが分かります。撮影前から氷点下だったので良い空を期待しましたが、月没以降もぱっとしません。辺り一面霜が降りていたので、湿気が多かったのでしょう。

撮影中に時々空を見上げると、まだふたご座流星群が流れていました。この流星群はピークがなだらかであることが知られ、急に減ったりしません。2、3日経ってもまだ見えることがあります。

禺画像] 最後はいつもの500mm+APS-C画角。もう画面いっぱい広がっている感じです。強く集光しているとは思いませんが、核光度がかなり明るいので、全体の光度は間違いなく肉眼彗星でしょう。

他の方の画像を色々調べると、現在の尾は2本に分かれ、1本は東北東向き(左画像では左やや上向き)の細い尾、もう1本は南南西向き(同・下やや右向き)の太い尾になっています。今後地球から遠ざかる際に向きや分かれ方を大きく変えるかも知れませんが、空の条件が良い場所で観察できる方は調べてみてください。

観察終了時は気温がマイナス4度まで下がり腰が抜けそうでしたが、月が大きくなる前に彗星、流星、ミラの増光などまとめて楽しめて本当に良かったです。今週から来週は満月期になるため、よほど工夫してもここ数日の豪華な姿は望めませんが、月明かりにどこまで抗えるか、できるだけ追いかけてみようと思います。

参考:
ウィルタネン周期彗星(46P)に関係する記事(ブログ内)

[彗星・流星]

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