禺画像] 11月に入りましたが、もっと早く衰えると思っていた台風26号がいまだ健在なのに驚かされます。左は今日11月1日正午の気象衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。しっかりした渦がまだ見えています。発生当初はなかなか進路が定まらなかったとか、一度衰えながら再度猛烈な台風になったとか、天気予報も右往左往していました。日本に接近していないためあまり話題になりませんが、間違いなく今年最恐の台風と思います。それが11月にまで縺れ込んでいるという事実が衝撃だというわけです。
発生から今日正午までの各種集計図を記事下に示しました。ここ2日は移動速度が遅くなったため、あまり動いてないように見えます。ざっと集計したら、今日正午時点で台風26号が「今年一番」となった記録が少なくとも次の6種ありました(※ただし21号まではベストトラック確定値、22号以降26号までは速報値)。まだ台風として継続してますから、今後も更新が続くでしょう。
- 継続時間(寿命):249時間(内66時間は猛烈なクラス)
- 最大風速:115ノット(2位の22号は110ノット)
- 最低気圧:905hPa(22号とタイ記録)
- 台風単体のACE値:300675ノット2(2位の22号は295525ノット2)
- 気圧増加速度:6.67hPa/h
- 風速増加速度:5.00ノット/h
ところで、一般的な台風統計は「○○月に平均△△個の台風が発生」などと、発生日によるカウントが多いです。でもこれでは「その台風はいつまで存在していたか」といった日々の存在有無までは分かりません。そこで自作プログラムを組み、気象庁ベストトラックを使って1日4回(0時UT、6時UT、12時UT、18時UT)ずつ、その日時に台風がいくつあるかを度数集計してみました。台風ひとつの存在につき1ポイントで、1951年から2017年までの全台風を年間串刺し集計です(右図)。
これを見ると、10月から11月へ縺れ込んだ台風は初夏以上に多いことが分かるでしょう。必ずしも日本近海ではないでしょうが、少なくとも気象庁台風監視区域内に存在していることは事実。このあたりの微妙な状況は台風発生数だけ見ていても分からないことですね。26号はまもなく台風でなくなるようですが、その後もしばらくは影響がありそうです。
【11/2追記】
台風26号は2日15:00に熱帯低気圧となり、台風活動を終えました。確定値ではありませんが、継続時間は276時間(11.5日)でした。