昨夜から今朝は信じられないほどよく晴れました。気温も低く、暑かった8月頭頃に比べて10度も低かったのです。おかげで透明度が増し、カメラの熱ノイズも減ってくれましたが、良いことばかりじゃありません。地上と上空の温度差が増すため大気が激しく揺らぎますので、月や惑星の拡大観察などに甚大な悪影響が出ます。
禺画像] 昨夜は火星も良く輝きましたが、拡大すると丸く見えないほど変形していました。一応撮影しましたが、あまりの酷さで画像処理に何日もかかかりそうなので(画像として仕上がらないかも知れないので)、取りあえず良く撮れたジャコビニ・ツィナー周期彗星(21P)を掲載しておきます。
18日の記事で「ここ数日ジャコビニ・ツィナー周期彗星が有名な星雲星団に接近してる」と書きましたが、今朝方はこれ以上望めないほど接近と快晴とがナイスタイミングでした。
左は105mm+APS-Cの画角で捉えた「彗星から二重星団にかけて」の星野。条件の良い山奧ならもっと良く写るでしょうが、光害のひどい街中でこれだけ写ってくれれば十分満足です。1時間露出なので左下に写っている彗星がそれなりに移動してますね。なお画像左方向が天の北です。
時間があったので、180mm+APS-Cで少し拡大してみました。こちらは上方向が天の北で30分露出です。拡大してるぶん彗星がはっきりしました。やはりかなり尾が伸びているようです。画角が狭くなったので二重星団までは入りませんが、下側左寄りのIC1848(胎児星雲 or Soul Nebula)と右寄りのIC1805(ハート星雲)がピッタリ収まりました。IC1805とIC1848まとめてHeart and Soul Nebulaeと呼ばれるこの星域は天体撮影者にとって普段から魅力ある撮影対象です。私にはハートと言うより「源氏パイ」に見えるのですが…。
調べてみると、ジャコビニ・ツィナー周期彗星は今後も幾つもの有名どころとツーショットになるようです。主なものを書くと、9月11日には散開星団M37、9月16日には散光星雲IC443(クラゲ星雲)、9月26日にはNGC2244(バラ星雲)といった具合。それぞれ接近する距離など変わりますので、撮影したい方は事前に撮影画角を念入りに研究しておきましょう。彗星はしばらく明るいので光度は問題ありませんが、移動速度が変わるので、星雲を写すつもりで長時間露出すると彗星が動いてしまいますからご注意。そのあたりのさじ加減は経験が必要ですね。(彗星と星雲のどちらも止めて合成するソフトもありますが。)
撮影が終わった夜明けの空にはオリオン座が登っていました。今期初のシリウスも見えました。