昨日16日に台風6号の直撃を受けた沖縄周辺の島々は、記録的な大雨に見舞われたようです。16日午前には2回に渡って今年初めての
記録的短時間大雨情報が発令され、それぞれ解析雨量が1時間あたり100mmを越しています。記事末に気象庁サイトからの引用で、16日9:00から1時間ごと、13:00までの降水レーダー画像を掲載しました。記録的短時間大雨情報が発令されたのは去年11月以来です。
今日あらためてアメダスの記録やランクを見てみると、1時間降水量、3時間降水量、24時間降水量、48時間降水量、72時間降水量、日降水量各項目の日最大値が観測史上1位を更新していました。こんなにいっぺんに更新されたのは久しぶりでしょうか。グラフからも分かりますが、沖縄本島北部のやんばるにある「奥」地方では72時間降水量がなんと564.0mmを記録しています。
アメダス降水10分間隔観測値を使ってグラフにしたのが左のふたつの図です。昨年記録された
九州北部豪雨や
秋田豪雨、そして
奄美豪雨などの各記事に同じスケールのグラフがありますので比較してみてください。降水量の増加速度(積算雨量グラフの勾配)は九州北部豪雨に引けを取りませんね。
沖縄の島々は海に囲まれ「水が豊富」といったイメージを勝手に持ってしまいますが、島幅が小さくて山から海岸まで距離のない立地のため川も短く、多量の降雨があってもすぐ海へ流出してしまいます。ダムや貯水池などによる「淡水の保持」はとても重要な課題だと聞きます。今年は梅雨入り以来史上最低レベルの貯水率でしたが、昨日の雨で一気に回復したようですね。右下図は沖縄県企業局サイトからの引用で、本日0時時点の貯水状況。
沖縄では国管理9施設、県管理1施設、企業局管理1施設の合計11のダムがあるそうですが、全ダム合計の貯水率は67.5%でした。今年一番低かったのは6月14日の44.3%で、これは夏場の統計記録として過去二番目に少ない量。ちょうど左上グラフのスタート時に一番少なかったわけです。(※記録が残る過去でもっとも少なかったのは2009年6月11日の43.0%。)でも回復したとは言え、たまたま台風が近くに来たおかげなので、将来の約束はできません。現状でもまだまだ平年値を下回っていますから。
例年だと5月のゴールデンウィークを皮切りに、7月頃まで沖縄各地でハーリー祭が行われますが、昨日の台風で中止や延期になったものがたくさんあったようです。何はともあれ、災害事故がなく、農業被害もなく、無事に過ごせる夏になってほしいですね。
なお、台湾南西の海上にはもう次の熱帯低気圧が発生して、同じようなコースを辿り始めています。お近くの方はくれぐれも油断しませんように。