2018年に期待の彗星たち
2018-01-02


禺画像] 現在既知の彗星データを元に、2018年中に明るくなる彗星を調べてみました。Minor Planet Centerなど複数ソースの軌道要素と、彗星光度予報のフィッテングに成果を上げている星仲間の吉田誠一氏によるパラメータを利用しています。

昨年も同様のグラフを作ったのですが、今年は10等より明るくなりそうなものが少ないですね…。明るいものは夏以降に幾つかあり、中でもパンスターズ彗星(C/2017 S3)とウィルタネン彗星(46P)、それにひょっとしたらジャコビニ・チンナー彗星(21P)は肉眼光度に達するかも知れません。

【2018年に明るくなりそうな彗星】
彗星名 近日点通過 光度ピーク 最大光度
ハインズ彗星(C/2017 T1) 2月22日 1月6日 10.2
パンスターズ彗星(C/2016 R2) 5月9日 1月12日 11.2
ペトリュー彗星(185P) 1月28日 1月30日 11.0
パンスターズ彗星(C/2016 M1) 8月10日 6月29日 10.1
パンスターズ彗星(P/2013 CU129) 6月24日 7月10日 10.9
パンスターズ彗星(C/2017 S3) 8月16日 8月15日 3.1
ジョンソン彗星(48P) 8月12日 8月18日 11.1
ジャコビニ・チンナー彗星(21P) 9月10日 9月10日 6.8
スイフト・ゲーレルス彗星(64P) 11月4日 10月31日 9.9
ステファン・オテルマ彗星(38P) 11月11日 11月23日 9.2
ウィルタネン彗星(46P) 12月13日 12月16日 3.1

  • ピーク時に計算上で12等より明るくなる彗星のみ計算しました。
  • 表内の日付はJST換算で、時刻以下の桁は切り捨てて表記しました。
  • 軌道と光度計算は自作プログラムおよび吉田誠一氏の光度係数を併用しています。
  • 彗星が明るくても見えない時期があります。
予備計算の時点で最大光度が12等に届かないものは切り捨てていますので、場合によってはリスト外でも予想より明るい彗星が出る可能性もあります。逆に、ここにリストアップしたものでも暗いまま終わってしまう可能性もありますね。予期しない時期に突然増光する「バースト」という現象も知られていますよ。グラフや表はあくまで計算値。彗星光度は「みずもの」ですから、実際にみなさんの目で確かめましょう。

また、ここに挙げたものは光度のみに注目したものですから、見える位置/状態/時間帯までは考えていません。「明るい時期に深夜の高い空で必ず日本から見える」とは限らないので注意しましょう。南半球に行かないと見えないものとか、見える位置だけど地平スレスレとか、空が明るい内に沈んでしまうとか、様々な状況が考えられます。

既に小型望遠鏡で楽しめる10等、11等に達しているハインズ彗星(C/2017 T1)パンスターズ彗星(C/2016 R2)は今週の満月期が去ったころが一番の見頃です。両方ともしっかりと尾を伸ばしていますよ。さっそくご覧くださいね。

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