禺画像] 冬に入ると関東や東海などの太平洋側は晴天に恵まれることが多くなるでしょう。空気が乾燥するので小さな揺らぎは多くなるけれど、透明度が抜群に良くなりますね。そんなときは数百キロ離れた遠くの山々まで見通せることさえあります。
このシチュエーションを最大に活かせるのが「冬のダイヤモンド富士」。雲や霞に邪魔されること無く、富士山頂から登る朝日、あるいは沈む夕日が見える確率も上がるというもの。
当地・茨城県の県南も冬期はダイヤ富士エリア(日没側)に入っていますので、「見えた」「撮った」という話をよく耳にします。茨城は富士山まで150kmから200kmありますから、太陽に対して相対的に富士山が小さくなり、左上画像のように山頂を覆い尽くすダイナミックなダイヤ富士を楽しむことができます。どこでダイヤ富士が見えるかは、右メニューのトピックス「ダイヤ富士」を参考にしてください。
さて、ここからが本題。鬼に笑われそうな気の早い話題なのですが、2年後の今日、つまり2019年12月26日の日本時間夕方に金環日食が起こります。残念ながら日本からは金環になりませんが、「部分日食」なら全国的に見えるでしょう。
右図は当日の日食図。世界のどこで日食が見えるかを描いた地図です。紫の三本線の内部が金環日食の見える範囲。(※三本線の北側が北限、南側が南限、中央が日食中心線です。グアム島がドンピシャですね。)周りにあるオレンジ線も意味がありますが、日本にかかるように描かれた葉っぱみたいな三本線に注目してください。
葉っぱ形の線は、難しい言葉でそれぞれ日没復円線、日没食甚(しょくじん)線、日没初虧(しょき)線と言い、以下の意味があります。
- 日没復円線……日没の瞬間に日食が終わる
- 日没食甚線……日没の瞬間に日食が最大になる
- 日没初虧線……日没の瞬間に日食が始まる
復円線より西の西日本では日没までに部分日食の全行程を見ることができます。初虧線より東では日食を見ることができません。復円線と食甚線に挟まれた東日本や北海道では、一番欠けた状態から元に戻りつつある途中で地平に没する様子を楽しむことができます。(※欠けたまま沈むことを日没帯食と言います。)
さあ、ここまでお話ししたらピンと来る方も多いでしょう。そう、この日よく晴れていれば、関東の一部では「ダイヤモンド日食富士」という、一生に一度あるかないかの貴重な光景を体験できるわけです。よくまぁこんなに良い条件が重なったもんだ……。
禺画像] こんなに早くお知らせしたのは、これだけの現象を充分堪能できる環境で眺める(撮影する)には、周到なロケハンが必要だからです。天気ばかりはどうしようもありませんが、貴重なチャンスを最大に活かすにはどこから眺めたら良いのか…それを、2年かかって探していただきたいと思ったのです。
もちろんこれは富士山に限った話ではなく、お近くで「ダイヤモンド郷土富士」とか「ダイヤモンドシンボルタワー」とか狙ってもいいし、高度が低いので、よくある「
夕日を捕まえた」日食ver.とか「日食釣ったどー!」的トリック写真だって可能です。みなさんの土地ならではの場所、シチュエーションを見つけておいてください。