北海道のPM2.5濃度が上がったのですが…
2017-11-03


>> アーカイブ:気象衛星が観た火災や火山

禺画像] 昨日、いくつかのニュースソースで「北海道が煙り臭い」「PM2.5濃度が上がってる」「煙霧が発生」といった報道を見ました。今日あらためて調べてみました。

左図は北海道発表によるPM2.5濃度の測定値(速報値)を使ったグラフ。意図的に濃度が高かったところのみ4ヶ所をピックアップしてあります。11月1日最初の測定(1時)から本日3日17時まで描きました。通常は10μg/m3前後の濃度が、2日午前中から夜にかけて5倍以上に跳ね上がっていますね。今年3月下旬に中部や関東で高濃度になった際のグラフとも比較してみてください。

原因とされるのが中国北東部で発生している野火(と思われる)の煙。地球観測衛星MODIS/Terraによる11月1日の画像を下に引用しました。数日前から大量の煙が北日本方面に流れてきています。(※2日の画像は雲が多くて煙があまり確認できません。)下のB画像はA画像の「火元」と思われる部分の拡大です。いったい何が何故燃えているのでしょうか?

私が今期のこの火事に気付いたのは9月の終わりでした。衛星の夜間画像で温度の高い部分があったので「ノイズかな?」などと気にかけて経過を見ていましたが、10月のふたつの台風の頃から高温部分がどんどん拡大していきました。下のC画像は10月29日18時JSTの気象衛星ひまわり・バンド7画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。白く明るい斑点状のところが温度の高い部分です。火元の場所も日々変化し、もはや最初がどこなのか分かりません。煙が立ち上るエリアを合計すると、それこそ北海道全域が包まれてしまうほどの状況です。

海外の火事では対処のしようもなく、早く大きな雨のエリアが通りかかって鎮火して欲しいと願うばかりです。なお複雑な風向きの変化のため、煙は北海道だけでなく東北地方にも来ているようです。喘息やダストアレルギーの方は特にお気を付けて。



[自然環境・生物]

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