過去最高だった9月の大西洋ハリケーン蓄積エネルギー
2017-10-06


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台風18号が9月18日に消滅してから無台風の期間が本日6日で丸18日になります。本来は台風が多いこの時期、喜ばしいことか、それとも嵐の前の静けさなのか…?無台風状態は深刻な雨不足や必要な自然撹乱不足を引き起こし、巡り巡って農林水産業などへのダメージともなりうるため、直接的な災害が無いことを喜んでばかりもいられないでしょう。

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A1:大西洋ハリケーンの発生数
一時的ですが似たようなことが、立て続けに発生していたハリケーンにも起こりました。ハリケーン「MARIA」と「LEE」が相次いで9月30日に消滅して以降4日間、北米大陸をはさむ大西洋にも太平洋にも嵐が全く無い期間が続きました。それまでの様子が異常なほど荒れ狂っていたので、かなり不気味に感じます。

そんな折、今年2017年の大西洋ハリケーンは近年稀に見る活発さだと知りました。(元記事はNHC(National Hurricane Center)の「Monthly Atlantic Tropical Weather Summary」2017/10/01号。)要点を抜粋すると以下の通り。平年値は1981-2010年の平均を使用してます。


残念ながら記事中に具体的な数値などが全く無かったのでよく分かりませんでした。そこでNHCによる過去ベストトラックや今年のハリケーン速報などをかき集め、自前で解析プログラムを作って図を描いてみました。左上のA1図は1961年以降に大西洋で発生したTropical Storm級(風速34ノット以上)を含むハリケーン発生数。オンシーズンの7-10月各月とそれ以外とで色分けしました。また下のA2図・A3図はA1図と同じ集計を、一番発達した状態が「Tropical Storm」「Hurricane」「Major Hurricane」に分類して積み重ね棒グラフにしたもの(A3図は9月のみの状況)。

2017年9月の総数は確かに多めですが、これらのグラフを見る限りあまり特別だとは思えません。ハリケーンであれ台風であれ、数だけ論じても仕方ないことです。(※この数はPast Track Seasonal Mapsの表記と照らし合わせると若干異なる年がありました。あくまでベストトラックからの自前集計ですのでご注意。)


下の三つの図は6時間ごとのACE値を計算し、月ごと、あるいは年ごとに変化を追ったグラフ。ただし風速34ノット未満(熱帯低気圧級以下)はオミットしました。B1図を見ると今年8月まで平均的だったのに、9月は爆増しましたね。B2図の期間でACE年間合計が200を越したのは1995年、1998年、2004年、2005年、そして今年2017年の5回。しかも今年の集計は10月以降を含んでいません。B3図は9月のみの変化を描いたもので、2004年の記録をあっさり抜いてしまいました。


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