太陽で強烈な爆発発生
2017-09-07


後日、4日後の10日15:35UTにもX8.2クラスのフレアが発生しました。9月11日の記事も併せてご覧ください。

禺画像] 昨日9月6日8:57UT頃と11:53UT頃、立て続けに太陽面で巨大なフレア(爆発)が発生しました。1回目はX2.2クラス、そして2回目はX9.3クラス。X9クラスのフレアなんて平時にほぼ起こらない規模で、発生したのは実に11年3ヶ月ぶりのこと。このクラスともなると1.5億km離れた地球にも大きな影響を及ぼします。

フレア時刻は開始時刻を表記するのが一般的で、ピーク時刻はやや遅れてやってきます。データ上はX2.2フレアは開始8:57・ピーク9:10・終了9:17、X9.3フレアは開始11:53・ピーク12:02・終了12:10(全てUT)となっています。

左画像はNASAのSolar Dynamics Observatory(SDO)による観測画像(AIA171)。数日前まで小さな黒点しか見えなかった活動領域12673ですが、明るい閃光が見えますね。撮影時刻は12:11UTですから、日本時間では6日21:11頃です。下の左列画像にも地上やSOHO衛星が捉えたX9.3クラスのフレアの画像を引用しました。また右下図はNOAAによるX線フラックスのグラフ。該当時刻にグラフが跳ね上がっていますね。前後にもMクラスやCクラスのフレアが頻発しているので、大変活発なことが分かります。

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下右表は、1976年以降で今回と同規模以上の巨大爆発が起こったケース(元データ:spaceweather.com)。前回発生した2006年12月は第23太陽周期(1996年5月頃から2008年12月頃まで)で、今の第24太陽周期とは異なる期間です。最近黒点が減って数年後には24周期も終わるというタイミングだったからとてもビックリしました。観測されている最強の爆発は2003年11月のX28overのもの。直前の夏に北アメリカ大停電が発生していたため、フレアによる停電が神経質に心配されました。

巨大フレアの影響は、直後に地球へ到達する強い電磁波による電波障害よりも、数日かかって到達するコロナ質量放出(Coronal mass ejection/CME)のほうが深刻と言われます。高エネルギー荷電粒子が地球に到達すると、宇宙飛行士や航空機クルー・乗客への人体的影響、衛星機器の障害、地上の電子機器誤動作、送電線被害による電力網消失、それに伴う大規模社会混乱などあらゆるトラブルが考えられます。今日7日午後になってようやく一般報道が始まったようですが、これじゃ全く遅すぎますね。今みなさんが猶予無く電気を遮断されたら、自分や家族の身の安全を守れますか?もちろん携帯とかネットとか使えません。電車も航空管制もエレベーターも家庭のエアコンも止まり、近所の街灯、信号、コンビニさえも真っ暗。こんなタイミングで他国へミサイル放ったら確実に制御不能…。脅しではなく、起こりうる事態として心しておくべき事なんです。

当地・茨城はこんなときに限ってずっと曇りや雨続きの天気。太陽観測が全くできません。


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NSO(Cerro Tololo)

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SOHO(LASCO-C2)

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SOHO(LASCO-C3)

【X9以上のフレア・1976-2017年】
日付 規模
1978年7月11日 X15.0
1980年11月6日 X 9.0

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[太陽]

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