禺画像] 本日24日はずっと不安定な天気でしたが、夕方から日没後の頃まで一時的に青空が広がりました。西空では水星・金星・木星が大接近していたはずで、金星のみ確認できたのですが、他の二惑星が見えるほど暗くなる前に低空の雲に没しました。
でもその後に見えてきた南空の火星・土星・アンタレスはまだ大丈夫そう。19時過ぎのまだ薄暮が残る中、低空から迫る雲に隠される前になんとか写真に収めることができました(左画像)。撮影した範囲は右下星図の白矩形範囲ですので、どこにどんな星があるか探してください。
昨日は火星とアンタレスが最接近する日でした。
4月4日の記事などで、今年の「火星とアンタレスの接近」は2回あると案内してきましたが、その2回目だったんです。この接近は、前後数十年の中で一番近い貴重なものでした。
さそり座のアンタレスは「火星(軍神アレス)の赤さに対抗(アンチ)する星」という意味を持つ名。それというのも、挑発するかのように火星が時々近くにやってきて、並んで光る様子が人々の目にとまったからでしょう。2年あまりかけて天球を一周する火星は、それに近い周期でアンタレスに近づくのです。でも毎回同じような接近ではありません。近かったり遠かったり、火星が明るかったり暗かったり、実に多様なのです。
記事末の表には、1900年頭から2099年末までの200年間に火星とアンタレスが見かけ上で3°以内に接近する時期をまとめました。なかでも2°以内になるケースはピンク色の文字にしてあります。今回がいかに貴重な接近だったかお分かりになるでしょう。この記事を読んでいらっしゃる多くの方にとって、最初で最後の機会と思います。急に離れてしまうわけではないので、まだご覧になってない方は近日中にぜひ!
下表を作成中、時々接近期間が長い場合があることに気付きました。例えば1922年や1969年、2048年などです。分割されていますが1969年や2048年は年内2度に渡って10日以上接近してますね。1922年と2048年の星図をステラナビゲーターで描いてみました(下図)。白い小さな丸が二日毎の火星位置。このようにアンタレスのすぐ側で逆行→順行または順行→逆行に方向転換する
「留」が起こるときは、接近の期間が長くなるわけです。
【火星とアンタレスが見かけ上で3°以内に接近する時期・1900年-2099年調べ】
期間開始 |
期間終了 |
日数 |
期間中の最小離角(実現日) |
1905年9月2日 |
1905年9月7日 |
6日間 |
2.31°(1905年9月5日) |
1920年9月16日 |
1920年9月19日 |
4日間 |
2.80°(1920年9月18日) |
1922年7月9日 |
1922年7月25日 |
17日間 |
2.48°(1922年7月17日) |
1937年8月22日 |
1937年8月30日 |
9日間 |
1.90°(1937年8月26日) |
1952年9月9日 |
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