やっとカタリナ彗星が見えました
2015-11-21


(※11/23追記:元画像を増やして再処理し、見やすい画像に差し替えました。)

禺画像] 昨日は日中から夜まで時折小雨が降るお天気で、地元の小学校から頼まれた星空観察会も室内講座のみの寂しいものでした。こどもたちには本物の星を見せてあげたいですね。

21日2時頃目が覚めると、なんと雲ひとつない“快星”。透明度は今ひとつですが、周期彗星を撮影しつつ夜明けに昇るカタリナ彗星(C/2013US10)を探すことにしました。事前に星空を調べてアパートの庭先からなんとか見えそうなので、所定位置にカメラをセットして隣家の生け垣から姿を現すのを待ちました。(カタリナ彗星についてはこちらの記事をどうぞ。)

5:20過ぎ(当地では航海薄明開始時刻)に撮影した左上画像では、彗星高度がわずか5°。実際の空は画像よりはるかに明るく、双眼鏡を使っても画像中の彗星はおろか恒星すら見えません。それでもデジカメの能力を目一杯引き出し、何とか彗星の存在が分かりました。尾は見えませんがコマは広がってますね。(11/23追記:真下やや右寄りに伸びる淡い筋がダストテイルかも知れません。撮影時点のダストテイルは太陽側に反ったアンチテイルになっていたようです。→11/23記事参照)彗星がどこにいるかは右下画像をご覧ください。ざっと見積もって6.5等くらいですので、現時点ではかなり腕に覚えのある方でないと観察や撮影は難しいと思われます。

禺画像]
一週間後には画像中のλVir(おとめ座λ星)に接近します。

くどいようですが、今日現在これだけ暗いので、今後もカタリナ彗星は肉眼で見えるような彗星になりません。ネット検索では何ヶ月前の執筆か分からない様なオーバーに書かれた記事も多数引っかかりますが、彗星光度状況を「検索」で得るのは「やってはいけない」ことです。国際宇宙ステーションの情報と一緒で、常に最新の観測データを信頼できる天文台/組織/観測者から直接入手するか、ご自身の目で直接確かめてください。

カタリナ彗星を待つ間、3つの周期彗星を撮りました。まず探査機ロゼッタが観測しているチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P・下左画像)。現在は尾が大変長く伸びているそうです。街中の平地に過ぎない当地からもしっかり尾が伸びて写ります。彗星自体はやや暗くなってきて13等程度でしょうか。次はボレリー彗星(19P・下中画像)。フレーミングをミスして、画像が上に寄ってしまいました。彗星は減光中ですが、まだしっかり尾が写ります。少し前まで見えていたアンチテイルが見えなくなってきましたが、西北西に向かう尾は広がりを見せているようです。最後のヴィルト第4彗星(116P・下右画像)は初撮りです。14等台の姿をようやく捕らえることができました。驚いたことにこの彗星もしっかりした尾が見えました。なお右上が明るいのはわずか1°のところに金星がいるためです。金星の光によって画像左側にも斜鏡スパイダーの影が写ってしまってますね。

下画像は全て上方向が天の北、彗星の移動に合わせた合成処理、拡大像は白黒反転、拡大像画角は縦横約7.9分角です。撮影中は湿気が多くかぶりがひどくて難儀しました。また電線が多い方向のためなかなか長時間露光ができません。明け方は雲も出てしまいました。天候不順もしばらく続きそうですが、とにかく束の間の晴れ間に感謝です。


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[彗星・流星]

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