今日の月は今年一番大きな満月
2015-09-28


禺画像] 今夜も良い月夜。全体的に淡い雲がかかっていますが、昨夜よりはずっと晴れています。清んだ月光がしんしんと降りそそぎ、呼応するかのように静かな虫の音が響きます。うーん、秋ですね。

昨日の記事にも書きましたが、満月は昨日でなく今日でした。ただ左画像(21:50過ぎに撮影)でも分かるように右側が欠けていて、既に満月を過ぎています。撮影時の太陽黄経差は185.96°、高度は47°あまりでした。

正確な満月は昼の11:50頃で、日本からは見えませんでした。日本の裏側の国々では皆既月食が見られ、素晴らしい秋の月夜だったことでしょう。(NASAの資料はこちら。PDF形式です。

今年起こる13回の満月の中で、今日の満月は一番大きく見えます。これをスーパームーンと呼ぶかどうかは昨日の記事をお読みただくとして、満月が大きくなったり小さくなったりする様子を右下のグラフで説明しましょう。このグラフは2015年8月の新月から10月の新月までの期間、「月と地球の距離(青線)」と「月の太陽黄経差(緑線)」を計算して描いたもの。(計算は国立天文台サイトを利用しました。LDとは月地球間平均距離:Lunar distance=384400kmです。)

禺画像]
月が近くなれば大きく見え、遠ければ小さくなります。月までの距離を示す青線が上下に波打つ周期で、月の見かけが大きくなったり小さくなっているのです。いっぽう、その周期とは違うサイクルで月は地球を回ります。太陽黄経差は月の形を表しますが、緑線が0°の新月位置から出発し、180°の満月を経て、360°=0°に戻るという「満ち欠けの周期」は青線の周期と違いますね。さて、緑線が180°を示す瞬間(オレンジの点線のタイミング)がたまたま青線が一番下がった場所と一致したらどうなるでしょう?そう、「大きく見える満月」になるんです。ほら、9月28日がそれに近い状態ですね。先月の満月と違うでしょう?

長期的な観測によって、青線や緑線の周期がふらつくこと、そして青線の極小値が毎回違うことなども分かっています。全てがドンピシャで一致する「スーパームーン」になることは滅多にありません。まぁそうはいっても、月が美しいことに変わりはないのですけれどね。

参考:
アーカイブ:月の形(黄経差180度以上、216度未満)
[月]

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