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19日正午の台風15号(左)と16号(画像元:NICTサイエンスクラウド) 今年はトリプル台風だとか越境台風だとか復活台風だとか、台風に様々なキャッチコピーが付いちゃってますね。現在発生中の台風15号・16号は15日3時ピッタリ同時刻に台風昇格した「同時発生台風」、そしてふたつ同時に存在している「ダブル台風」。その上さらに不名誉な修飾が付きそうなんです。
台風かどうかの決め手は中心付近の最大風速が34ノット(約17m/s)以上という決まりですが、天気予報ではこの最大風速に応じて「強い」「非常に強い」「猛烈な」という表現で台風の強さを表します。この言葉は明確なルールをもって使用され、「最強の」とか「強いにもほどがある」とかも追加しようよ…などと勝手に変えられません。
【台風の強さの表現】
表現 |
最大風速下限(以上) |
最大風速上限(未満) |
(無し) |
34ノット(17m/s) |
64ノット(33m/s) |
強い |
64ノット(33m/s) |
85ノット(44m/s) |
非常に強い |
85ノット(44m/s) |
105ノット(54m/s) |
猛烈な |
105ノット(54m/s) |
- |
※強さの分類はあくまで風速のみで台風の総合評価ではありません。これとは別に大きさのクラス分けもあります。詳しくは
こちら。
現在日本の南の海上にいる台風15号・16号、ダブル台風としては今年7件目で珍しくもないのですが、両方とも最大風速が85ノット(約44m/s)以上・105ノット(約54m/s)未満の「非常に強い台風」のクラスに成長しました。15号は8月17日15時から、また16号は8月18日3時から85ノット以上をキープしてますから、20日3時の時点でダブル台風期間は120時間、「ダブルで非常に強い台風」の期間は実に48時間に到達します。調べてみると「非常に強い台風」状態で同時に存在したケースは2013年以来。2000-2014年まで広げて、全ての台風353個(内、ダブル台風は107件)を調べても4件しかありませんでした(下表一番目)。しかもいずれも最長12時間でどちらかが弱まっていますので、まだ衰えを見せない(強まりつつある!)今回の15号・16号は台風史に刻まれるほどの長時間になるかも知れませんね。
ついでに2000-2014年に発生した「非常に強い台風」117件の「非常に強い継続時間」を年毎&時間毎にカウントしてみました(下表二番目)。毎年平均8件ほどの「非常に強い台風」が発生しているのですね。いやはや…。それにしても台風15号・16号、こんなに色々な言葉でコテコテに修飾されてしまって、スペシャルゴージャズハイパーエクセレントミラクル級に重たいぞ。(そう言えば全く関係ないけど、仮面ライダーV3の変身ベルトはダブルタイフーンでしたね…笑)
【ダブル台風がふたつとも最大風速85ノット以上になったケース・2000-2014年調べ】
年 |
台風1 |
台風2 |
重複開始日時(JST) |
重複解消日時(JST) |
重複時間 |
2003年 |
17号 |
18号 |
2003年10月23日 21:00 |
2003年10月24日 9:00 |
12時間 |
2005年 |
13号 |
14号 |
2005年8月31日 15:00 |
2005年9月1日 3:00 |
12時間 |
2009年 |
17号 |
18号 |
2009年10月2日 3:00 |
2009年10月2日 15:00 |
12時間 |
2013年 |
27号 |
28号 |
2013年10月22日 21:00 |
2013年10月23日 9:00 |
12時間 |
※
この色での表記は上陸した台風です。