奇跡的な晴れ間に三つの彗星を追う
2015-03-17


日没後に奇跡的な晴れ間がありましたので、急きょ三つの彗星を追いかけることにしました。春は晴れ間がとても貴重なので、例え30分で曇ったとしてもチャンスは最大限生かしたいのです。取り回しやすいように、軽装備にしました。極軸合わせ無しの短時間露光で撮ってます。

禺画像] まず、ここのところ火星周囲をうろついていたスワン彗星(C/2015C2)。今日もfl=500mmの望遠鏡で火星と同一視野です。今日は火星が肉眼でも何とか見える透明度だったので、思い切って時間を5分ほど遅らせ、少しでも薄明を避けるようにしました。そのため電線と電線の間からの撮影になりました。これが功を奏したのか、今まででいちばんはっきり写ってくれました。周囲の星からの推定光度は11等星ちょうどくらいです。

禺画像]
続いて、3月2日に見つけられなかったSOHO彗星(C/2015D1)。この彗星はその後だんだん高い位置に移動し、現在はラブジョイ彗星と同じくらい高くなりました。存在確認ならできそうです。といっても彗星は残骸のみが残っているような状態ではっきりした位置予報も分かりませんでしたので「彗星頭部が残っていたとしたら」という位置を撮影しました。

計算上は11等星くらいの残骸が見えているはずでしたが、残念ながら何も写りませんでした。右画像のいちばん暗い星は13等星台なので、位置が間違ってなければSOHO彗星の残骸は12等以下になってしまったと言うことになります。見えないというのもひとつの結果ですから、これはこれで良しとしましょう。なお左上の明るい星はアンドロメダ座γ星です。

禺画像] さて、締めはラブジョイ彗星(C/2014Q2)です。まだ散開星団M103と並んでいますので美しい光景が見えそうです。撮影を始めた頃にはもう薄雲が空を覆い始めましたが、3月15日のときよりはまともに撮れました。合計5分の露光ですが、尾がしっかり写っていますね。
禺画像]
右の白黒反転ならば尾が分かりやすいでしょうか。画像上では0.5度くらいの長さです。幅も結構ありますね。

片付け始める頃には絹雲がかなり夜空を覆っていました。1時間ほどの晴れ間でしたが、タイミング良く三つの彗星の状態を確認できました。

参考:
ラブジョイ彗星(C/2014Q2)に関係する記事

[彗星・流星]

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