アーカイブ:1.5等星以上の掩蔽(目次)
1970-05-03


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月によって明るい恒星や惑星が隠される「掩蔽」は大変美しく、肉眼や小型双眼鏡で観察できます。ここでは1980年から2030年に起こる1.5等星以上の恒星と惑星の掩蔽についてリスト化しました。全てについて網羅できてないかも知れませんが、どうぞお役立てください。

ここでは計算基点を茨城県つくば市としています。対象が月のため地球に近く、観察場所が変わると時刻や高度がかなり違います。シミュレーションソフトなどを使い、リストの日時を参考に必ずご自身の観察地条件で補正してください。

1.5等星以上の掩蔽(1980年-1994年)

1.5等星以上の掩蔽(1995年-2014年)

1.5等星以上の掩蔽(2015年-2030年)



《アーカイブ「1.5等星以上の掩蔽」の概要》

月は大きさを持って見える近い天体ですから、その向こうに見える遠方の星を隠すことがあります。これを掩蔽(えんぺい:occultation)と言います。「金星食」「土星食」「恒星食」など慣例的に食(しょく:eclipse)という言葉で表現されることもありますが、この用法は間違いです。(食とはある天体の影に別の天体が隠されることで、天体そのものに隠される掩蔽とは違う現象です。)このアーカイブでは厳密に掩蔽という言葉を使います。

月はじっとしているわけではなく1ヶ月ほどかけて空を一周しますから、掩蔽は毎月起こっている様に思えてきます。事実、暗い星まで含めると毎日たくさん起こります。でも肉眼で観察できるほどの明るい星を隠すチャンスは多くありません。月が移動できるのは一定の範囲に留まっており、その範囲内の明るい星は極めて少ないのです。しかも軌道が緩やかに変化するので「毎月隠す」といったことは起こりません。また対象が惑星の場合はどんどん移動するため、よほどタイミングが良くないと掩蔽が起こらないのです。貴重な「明るい星の掩蔽」を見逃さないためにも、先々のチャンスを心に留めておくことは大切ですね。掩蔽が起きる可能性のある明るい星は次の通りです。

天体名称 説明
水星・金星・火星・木星・土星 お馴染みの太陽系惑星です。恒星と違い、明るさが少し変化します。水星と金星は内惑星なので、太陽から遠くない位置でしか掩蔽が起こりません。
アルデバラン おうし座の輝星で0.9等星です。
スピカ おとめ座の輝星で1.0等星です。
アンタレス さそり座の輝星で1.1等星です。
レグルス しし座の輝星で1.4等星です。


天の北を上向きに考えるとき、月は概ね西(右)から東(左)へ動きます。だから星は必ず月の左側に隠され、右側から出てくることになります。上弦か下弦かで、明るいほうに隠されるか暗いほうなのか等、様々な状況があります。アーカイブのリスト中では現象を次の様に表記しています。なお実際の空では月が東の空に見えるか西の空かで明暗のサイドが変化しますから注意が必要です。

現象表記 説明
明入 月の明るいほうに星が隠されていきます。満月または下弦の場合に起こります。
暗入 月の暗いほうに星が隠されていきます。上弦の場合に起こります。
明出

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[解説・まとめ]

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