雲間から「三の月」前夜の光が注ぐ
2020-11-24


禺画像] 昨日午後は完全に曇ったけれど、日没後から少しずつ雲が取れてきました。と言っても下り坂なのでぬか喜びすらできません。欲張らず、お月見のみを楽しむことにしました。

上弦過ぎの月に望遠鏡を向けると、川底のような見え味。星々も瞬いています。それでもやはり美しいですね。左画像は20時頃の撮影で、太陽黄経差は約104.27°、撮影高度は約40°、月齢8.25。新月以降だんだん赤緯が北上してきたため、ようやく隣家の屋根に隠れなくなりました。

一晩前は月面Xが見える前に沈んでしまったけれど、地球の裏側を回っているうちにすっかり日があたり、この月ではX地形がよく見えています。他にもV地形やE地形などの位置がはっきり分かりますね。月面LOVEが探せない方はこれくらいの月から地形を覚え、だんだん月齢を遡って攻めていくのも悪くないでしょう。

約一ヶ月前の撮影と同様、秤動のために北東側(右上側)が正面に大きく傾き、おかげで北から東の地形がよく見えます。アペニン山脈あたりも明暗のため彫りが深くてかっこいい。とは言えシーイングの悪さは如何ともし難く、例えばヒギヌス谷辺りの鮮明さは10月の画像と比べて全くだらしないですね。

本日11月24日夜は「十日夜(とおかんや)」。中秋の名月「十五夜」から始まる三番目の名月、「三の月」に相当します。特に何をするでもないけれど、晴れたら見上げてみましょう。なお約一週間後の11月30日満月時に「やや深い半影月食」が起こりますのでお見逃し無く。中部以西では月出帯食となり、全国的に全過程がかなり低い位置ですからご注意!もし皆さんが東の見晴らしに恵まれ、当日が快晴でしたら、「ビーナスベルトの中の月食満月」という極めて珍しく素晴らしい光景を狙ってみましょう(→参考記事、および、「Atmospheric Optics」サイトの画像例)。

[月]

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