※全てのケースで、黄経が一番太陽に近い天体と太陽との離角を計算し、10°未満のケースは除外しました。太陽に近くて観察困難なので、空を見るための資料として不適合だからです。リストに掲載されていても見づらいものは幾つもありますのでご了承ください。 |
少なくとも計算した期間内では5天体、6天体が一度に片手で隠せるほど集まることは無いため、「空を左右に分けたとき片側に寄ってる」程度の緩い基準としました。このような離角条件では「とても接近とは言えない」と考える方もいらっしゃるでしょう。そういう意味では「多天体の接近はあり得ない」と言い切ることもできます。ただ、このブログは「まず空を楽しむ」ためのものですから、「へー、○月□日には明るい星が5つも東に見えるんだね」といった緩いご利用をしていただければ幸いです。
リストの表記例を以下に示します。
日付(時間帯) |
3天体接近
(離角15°以内) |
4天体接近
(離角30°以内) |
5天体接近
(離角60°以内) |
6天体接近
(離角90°以内) |
2016年3月29日(朝) |
土月火 9.9°(W112.2°) |
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2016年9月4日(夕) |
水木金 10.1°(E15.6°) |
水木金月 19.1°(E15.6°) |
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水木金月土火 77.8°(E15.6°) |
集合している月惑星が明け方寄りなら(朝)、夕方寄りなら(夕)の表記が日付覧にあります。明け方(夕方)しか見えないという意味ではありません。離角によっては夜中に見えたり、昼間でも楽しめる場合もあるでしょう。(朝)は「夕方に見えない」と解釈した方が現実に合います。
各欄には月惑星の配列(黄経が太陽に近い順)が記述され、続いて天体離角と太陽離角がセットで書いてあります。上の3月29日の例では、[ 土月火 9.9°(W112.2°) ]とありますが、9.9°が天体離角、W112.2°が太陽離角。これは「土星、月、火星のどの組み合わせでも互いに離角9.9°を上回ることがない接近である」と読みます。また「黄経が太陽に近い順に土星、月、火星と並び、一番太陽に近い土星は太陽から112.2°西側に離れている」です。ただし離角の値は(朝)のケースで6:00、(夕)のケースで18:00の時刻固定で計算しました。9月4日の例では3天体・4天体・6天体で条件に該当していますが、天体数が増えても欄の読み方は同じです。(多天体接近がふたつのグループに分かれて両端にある場合、このように間に空欄ができることもあります。)いろいろな情報を詰め込んであるので、上手に読み取ってくださいね。
データは自作プログラムによる計算・集計で、無作為にステラナビーゲーターなどによりチェックしましたが、手作業があちこちあるので誤植が潜んでるかも知れません。見つけたらお知らせください。また精度は趣味で楽しめる程度ですから、ご理解の上ご利用ください。
接近現象はリストにある日にしか見えないという性質ではありません。0.1°でもオーバーしたらリストから外されますが、実際は「まだ一緒に見えるね」とご自身の許容で楽しめればよいのです。ぜひリストを手がかりに、すてきな星景を見いだしていただければ嬉しいです。